栞 

心の中を整理して、私らしく魅力的に生きられるように。

【きっと誰にでもある欲望とタブー】『娼年』を観て考えたこと

お久しぶりです、ほなみです。

2年ほど前にNetflixで視聴すた映画の感想メモが見つかったので、時差投稿します。

 

これまで、付き合っていない人と関係を持つどころか、性に関することは「話題にしたらいけないこと」「考えるのも良くないこと」って思い込んでいた私には、十分過ぎるほど衝撃的な作品でした。

テーマ自体が持つ後ろめたい部分に加えて薄暗い場所でのシーンや低くて重みのある話し方をする人が多くて、全体的には決して明るくないはずなのに領くんは少しずつ明るい方に引き寄せられているのが不思議な感覚になります。
この作品にお客さんとして登場する女性がこの世の全ての女性を体現しているとは思いませんが、誰にも言えない欲望を抱えたまま何食わぬ顔で生活している人ってたくさんいるのではないでしょうか。
私には領くんみたいにそれを全て受け入れて実現させてあげられるような心意気はないし、きっとその欲望に心惹かれる前に苦しくなって怖くなって逃げてしまうと思います。
その人にとって心からの希望だったとしても、やっぱり私自身が共感出来ないと引いてしまうかもしれないというのが本音です。

同級生の女の子が最後に言った「もう違う世界の人なんだね」っていう言葉は、どうしてもわかり合えない部分があることに気がついて、本当はもう一歩踏み込んで取り戻したいけれどそれを諦めることにした、覚悟の言葉だったのではないかと推察します。
領くんが見出したような娼婦/娼夫の仕事の光の部分だけではなく、最後まで解決されない二面性が描かれていて、見終えた後もぼんやりと考え込んでしまうような作品でした。